絶対勝利!と誰もが臨んだはずのAvispa戦は1-2で逆転負け。結果もさることながら負け方もショッキングで笛が鳴った瞬間はすべてが終わったような気持ちになってしまった。ただ,まだまだ終わったわけじゃないと自分に言い聞かせ,自らを奮い立たせるのに時間はかからなかった。そう,まだ諦めていい時期じゃない,と。
90分のほとんどを雨にたたられたこのゲーム,ポイントとなったのは咄嗟のところでミスをしないこと,という言わば我慢比べのようなものだった。だからこそ開始早々に相手のDFラインが低くなっていることを見抜いてシュートを放った良太は素晴らしかった。それも10年に一度歩かないかというようなロングシュート。そう,いつもならこれで楽になる…はずだった。
ところがその後,何度もボランチとDFラインの間から決定的なスルーパスを通された。相手の決定力不足と岡本の寄せがあったから難をのがれたが,いつ同点にされてもおかしくなかった。ただ,JEFもネットを起点とした攻撃で相手DFを威圧し,遠目からもシュートを数多く放った。AWAYでのAWAYの戦い方,前半はこれ自体に問題はなかった。
そして後半,Avispaの怒涛の攻撃を何とか防いだJEFが守って得たボールからカウンターを仕掛ける。ところが,このカウンターのフィニッシュがまったく決まらなかった。特に谷澤と倉田のシュートが枠を大きく外れたのが痛かった。これが決まっていればAvispaの息の根を止められただろう。逆に時間が経つにつれて雨がひどくなり,JEFにミスが目立つにつれてAvispaが息を吹き返してしまった。
そして我慢し続けていた80分過ぎにCKからゴールを許す。ただ,これは相手のシュートに対して良太が足を出して当てたが,運悪くゴールに吸い込まれてしまったもの。気持ちを切り替えれば何とかなったはずだ。しかし,このゴールでJEFのメンタルが一気に低下してしまったことは否めなかった。その後のゴール前での消極的な姿勢を見れば明らかだろう。決定的だったのはゴール前まで繰り出したカウンターでボールを持った倉田がシュートせずに横にパスしたシーン。結果的には相手にかっさらわれ,これが2失点目の原因となった。彼がイケイケの状態だったら間違いなくシュートしていただろう。メンタルが落ちたうえでの一瞬の判断ミス。これがこのゲームのすべてだ。
試合終了後,倉田はメイン側で下げた頭をなかなか上げることが出来なかった。たぶん泣いていたんだろう。冷たい言い方だが,泣くぐらいならあの場面で頼むから打ってくれ,というのがこちらの思いだ。
これで昇格争いから一歩後退。仮にこの後,JEFが全部勝ってもAvispaが全部勝ったら追いつけない状態になってしまった。それでも可能性がある限り諦めない。開幕戦のROASSO戦で今年の戦いが厳しくなるという覚悟は決めていたが,これからはそれ以上の覚悟で臨むことが必要だ。はっきり言ってこれまでの残留争いよりも精神的に厳しいだろう。いろいろな感情はあるだろうが,チームも選手もサポーターもとにかく開き直って,目の前の敵に勝つことに集中していくことが必要だ。