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2011/06/14

vs FC GIFU 感想戦

 試合開始2時間前,届いたスタメンメールを見て『おっ』と思った。青木孝太の復帰,そして今季初のメンバー登録となった林。両者ともにDFの裏に抜けることにかけては誰よりも秀でている。オーロイを中心に攻めるだけでなく,他のオプションも使っていく。この二人の名前にそんなメッセージを見たような気がした。さらに前節,たった18分の出場となってしまった太田も先発。これを意気に感じてくれればと強く思った。

 さて試合。AWAYではとかくふんわり入ってしまうイメージが強いJEFだが,やはりホームフクアリは空気が違うのか,前節の二の舞は御免とばかりにアグレッシブに戦っていた。太田も右サイドを突き破ってシュートを連発。いずれも相手GKにブロックされてしまったが,この日は誰からもゴールの匂いがした。そしてオーロイの幻のゴール。あの場面は太田のオブストラクションとも言われているようだが,それも反則と取られるようなものでなく,何だかよくわからないままとなってしまった。

 そんな中で先制点は米倉。左サイドで相手のパスミスを見逃さずにカットし,そのままドリブルで切れ込む。相手のプレッシャーがないと見るやミドルレンジから右足を一閃!地を這うようなグラウンダーのボールはGKの前でバウンドして伸び,そのままゴールに突き刺さる。試合前にピッチに散水していたことをわかっていたのであろう。ビューティフルゴールであった。

 しかし,その5分後にセットプレーから簡単に追いつかれてしまう。右から飛んできたCKに対してオーロイはそこで待ってクリアしようとしていたようだが,その寸前で彼の死角から飛んできたFC GIFUの田中にヘッドで合わせられてしまった。この場面,ミリガンが治療でおらず,マークがずれてしまったのが原因のようだが,オーロイ含めて周りが見えていなかったようだ。これさえなければ無失点で終えられたゲームであったはずなので,この辺りは猛省を促したい。

 結果的にこの失点からしばらくはDFラインの裏をしばしば取られることが多くなっていた。決定的な失点場面もミリガンの必死のカバーによって事なきを得,前半は1-1で終了した。

 後半,林の投入によって試合が動く。かつてあのオシム氏に『ボエム』と言わせたプレースタイルはいまだ健在。自分の頭を越えてきたロングボールを右足トラップ一本で落ち着かせる芸当,JEFでは彼しかできない。試合の流れを変えられる選手はさっそく,深井の逆転ゴールを生んだラストパスを送った。いやしかし,ここ最近の深井の切れ味も素晴らしい。

 そしてダメ押しはCKからファーにいたミリガンがつま先で合わせ,JEFでの初ゴール。この場面でもオーロイがニアで相手を二人ひきつけていた。こうなればもう,このゲームは万全だ。

 最後は途中投入されたブルーノにやりたいようにやられたが,ゴールだけは割らせずにそのまま試合終了。20周年記念を勝利で飾ることができた。

 勝つには勝ったが,相手のゴール前での詰めの甘さや中盤のプレッシャーの無さに助けられた感はある。この勝利に奢ることなく,次のYOKOHAMA FC戦に備えてほしい。昨年は三ツ沢で良いところがまったく無かった。今年こそは勝利を。

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